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オストメイトの服装について(職場編)

今回は、職場におけるオストメイト(40歳代、男性、事務職)の服装について。

 

1.手術前のスーツは着用できるのか?

気になりますよね。

私も手術前は、お腹にストーマ(しかもダブル)だったら、いまのスーツのパンツ、全部ダメになっちゃう?買い替え?なんて。

 

結論から言うと、私は手術前と同じスーツを着用できています。

 

病気の影響でやせてしまったこともあるかもしれませんが、お腹に2つ袋(パウチ)をつけていても何も問題ありません。ベルト位置の少し上にストーマが造設されていますので、ベルト着用も問題なし。

(ただし、ストーマの位置は人によって異なると聞きますので、場合によってはベルト位置が干渉してしまう可能性があるようです。)

ということで、オストメイトでも手術前と変わらず、好きなスーツを着ることが可能ですので、ご安心ください。

 

2.やっぱりサスペンダー?

オストメイト=サスペンダー」というイメージがありますよね。
でも1で書いたように通常状態なら、ベルト着用は十分可能です。

この「通常状態」というのがネック。

「便落ちない問題」をクリアする必要があります。

 

「便落ちない問題」って?

まずあまりイメージがつかない人のために、ストーマや便をうけるパウチについて基本的な構造を説明します。

まず、健常者は便の排出を自分でコントロールできますが(できないときもありますが)、オストメイトはコントロールできません。

造設されたストーマ、つまり人工肛門なら大きな便(これからは「コロ助」と呼びます)、人工膀胱なら尿(これからは「ウロちゃん」と呼びます)が、本人の意思とは無関係に、オートマティックに排出されます。アンストッパブルです。(おならもです。この話はまた別で。)

よって、オストメイトは、ストーマを覆うように、面板と一体になったビニールのパウチを体に貼り付けて、出てくるコロ助とウロちゃんを受けておき、溜まってくるとトイレで排出します。製品にもよりますが、2~4日で貼り替えることとなります。(構造のイメージが湧きにくい方は、他のサイトをご参照ください。)

このパウチ、たくさんの量を貯めておけるわけではありません。特にウロちゃんの場合は、いつの間にかパンパン、ということもあるので、2時間毎ぐらいに排出するようにしています。

一方、コロ助は出続けているというよりは、健常者と同様、一定のサイクルがあるようで、出るときに「わーっ」と出るという感じです。

 

ここからが本題。その「わーっ」と出るときに、ベルトをしているとどうなるかというと、ベルトから下にはコロ助は落ちていきません。つまり、パウチの通常容量の4分の1程度で「満タン」状態になるわけです。

「満タン」状態からさらに「わーっ」と出るとどうなるか。行き場を失ったコロ助は、貼り付いているパウチ(面板)と皮膚の隙間から外に出ようとします。これがいわゆる「便もぐり状態」。この状態が続く、またはさらにわーっと出ると、ジエンド。おしまいです。コロ助が漏れ出してくる、パウチが剥がれるという恐怖の事態を招くこととなります…。

 

結論:サスペンダーが安心

なので、ベルト着用の場合、コロ助が出てるなとおもったら直ちに排出、もしくはベルトをゆるめて下に落とすことが必要です。
そういう意味では腰回りにゆとりが生まれる「サスペンダー」を使用するのが、下に落ちやすくなるので、安心かと思います。

私も恐怖体験の一歩手前を経験し、サスペンダー導入を決意しました。

 

3.どうしてる?レッグバッグ

ストーマパウチの容量を拡張できる、レッグバッグ。便利なアイテムです。

その名の通り足にゴムベルトでとめておき、ストーマパウチとつなげることで、倍以上の容量に貯めることができます。(私はコロプラストの750mlを使用しています)

上に書いたように、通常のストーマパウチでは、飲み物の量や、体調にもよりますが、2時間でいっぱいになることもあるため、遅くても2時間ごとにトイレで排出しています。

ただ、会議が続いたり、トイレにすぐに行けない状況(トイレが近くにないなど)もありますよね。
わたしもあらかじめそういう状況が見込まれる場合は、職場にもレッグバッグをつけていきます。

ただし、ここで問題が一つ。

細身のスーツ、レッグバッグ使えない問題

そうです、レッグバッグはふくらはぎにつけるタイプが多いと思いますが、細身のパンツでは、外見でつけていることがわかってしまいます(低容量のレッグバッグなら可能かもですが)。また、裾幅が細いと、排出時、裾をまくりあげることができません。パンツを下まで下ろして、レッグバッグ外して・・・という大層面倒くさい状況になります。(レッグバッグの排出についてはまた別記事で)

なので私は、普段はレッグバッグをせず好きなスーツを着用し、どうしてもレッグバッグをつけた方が安心できるときは、ダボッとした、シルエットがはっきり出ないスーツ(パンツ)を着用しています。おしゃれとは言い難いですが、安心とトレードオフですね。

 

 

今回は、オストメイトの職場での服装について取り上げてみました。

気をつけながら好きな服装を楽しむか、好みを少し犠牲にして安心を得るかはご本人次第かと思います。少しでもご参考になれば・・・。

最後までご覧いただきありがとうございます。